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ニュース記事が元で摘発喰らうかも?!ジパング協同組合

category : ニュース 2014.6.1 
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「高齢者の国か経済大国か」、外国人活用で岐路-労働人口減

5月28日(ブルームバーグ):中国山東省出身の●(**)修玉さん(29)は、週末に当たる11日も早朝から板金ダクトの接合に汗を流していた。外国人技能実習生として昨年12月に来日し、建築用ダクトの製作や施工を行う●●工業(埼玉県川越市)で、遅い日は夜の10時まで働いている。自ら志願して残業をこなし、月の休みも2日程度という。

仕事に集中するあまり、妻と6歳の息子から離れた単身赴任の生活を寂しいと思う暇もないが、范さんは「日本の賃金は中国で働いていた時の3、4倍。おまけに進んでいる日本の建築技術も学べる」と充実した日々に満足している。「日本は労働環境がいい。可能なら家族を連れて来て、ずっと日本で働きたい」。
政府・与党の間で、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた議論が活発化している。労働力人口の減少に伴い、建設や介護など一部の産業で人手不足が深刻化し、今後も事態の悪化が見込まれていることが主な背景だ。ブルームバーグ・ニュースが実施した14人のエコノミストに対する調査の中央値によると、現状の4倍に当たる年間20万人の外国人労働者受け入れが必要との見方が出ている。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、「10万人程度では労働人口減少に対する効果が限定的だが、それでも政治的には難しい決断だ」と指摘。安倍政権は「2015、16年の一連の選挙への悪影響を気にするあまり、外国人労働者受け入れ問題では腰が引けている」との見方を示す。

労働力人口の減少

総務省の労働力調査によると、日本の労働力人口は1998年の6800万人をピークに、足元では6500万人まで減少。内閣府の試算では、出生率や労働参加率が現状から改善しないと仮定した場合、2030年には5700万人、60年には3800万人程度まで減少すると予想され、31年から60年の間に潜在成長率を年0.9%ほど押し下げる要因になる見通し。
そうした中、政府は経済財政諮問会議で主要議題の一つとして、外国人労働者の活用について議論しており、6月にまとめる成長戦略に政府の方針が盛り込まれる見通しだ。一方、自民党は3月に外国人材活用に関する中間案をまとめ、農業や製造業、介護などの分野での活用は避けては通れない論点と指摘。政務調査会に外国人労働者特別委員会を設け、議論を続けている。
同会議の中で、元日本銀行副総裁で日本経済研究センターの岩田一政理事長は、「出生率の引き上げに加え、移民の受け入れも異次元政策の一つとして取り組むべき」と主張し、50年までに移民の純流入者数を年20万人まで増やすことを提言。茂木敏充経済産業相は、外国人活用について「女性が活躍できる環境という点から、家事支援が極めて重要になる」と、外国人家政婦受け入れの必要性に言及している。
慶応義塾大学大学院商学研究科の斉藤潤特任教授は、「人口減少の問題はすでに深刻で、政府はすぐに対応策を打ち出さなければならない」と指摘。日本に提示されている選択は、「長期的には高齢者が住むだけの古い国になるか、外国人と共存する経済大国を目指すかだ」と話す。
ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査によると、労働力人口減少に対応するために年間で20万人の外国人労働者の受け入れが必要な一方、世論の反対を考慮に入れると現実的な受け入れ可能人数は10万人。13年時点で1.1%(約72万人)にとどまる労働力人口に占める外国人の比率については、今後10年間で5%まで上昇する必要がある、との見方が示された。
厚労省の労働経済動向調査で、労働力不足が最も深刻とされている建設業で、政府はすでに外国人労働者の実質的な受け入れ拡大を決定した。15年度から東京五輪が開催される20年度までの時限措置として、技能実習生の滞在期間をこれまでの3年から、最大で6年に延長。外国人建設労働者の数は、20年度までに累積で7万人程度増える可能性があるという。

受け入れに向けた試金石

移民政策研究所の坂中英徳所長は、「政府内で外国人労働者の受け入れがこれほど活発に議論されたことはこれまでなかった」と指摘。政府の建設労働者の受け入れ拡大は、「政府や国民にとって、大規模な移民受け入れに向けた試金石になり得る政策だ」との見方を示す。
人口動態の急激な変化から、外国人労働者の必要性は高まる一方、国民はまだ受け入れに対して慎重だ。読売新聞が4月に報じた世論調査では、人口減少に関して79%がマイナスの影響が大きいと答えた一方、外国人労働者をもっと受け入れるべきかとの問いには、過半数の54%が否定的な答えだった。
政府の受け入れ拡大の動きに反対する草の根レベルの市民活動も出ている。「移民・多文化共生政策に反対する日本国民の会」は、3月から20万人の移民受け入れに反対する著名運動を開始し、5月28日時点で約1万8500人の著名を集めている。同会は今後、国会議員への陳情なども計画しているという
同会はブルームバーグ・ニュースの取材に対して、こうした活動を展開する理由について、「移民政策で成功した国はなく、外国人を大規模に受け入れることで日本人にとって日本が住みづらい社会になる。移民の受け入れは不可逆的で、一度入れると追い出すことはできない」と電子メールで回答した。

生活者としての視点

一方、外国人労働者と長年共生してきた自治体が集まり01年に発足した外国人集住都市会議は、2月に法務省に対して意見書を提出。外国人労働者の受け入れの議論が加速していることは評価する一方、受け入れに際しては労働者としてだけでなく、生活者としての視点が必要との意見を表明した。
同会のメンバーである浜松市では、日系ブラジル人の増加に伴い外国人住民の割合が08年には一時4%を超えた。鈴木康友市長は、外国人の受け入れは「決してマイナスではない。今いる外国人は社会にかなり溶け込んでいる」と指摘。「今までは外国人を支援することが政策の中心だったが、これからは外国人の多様性を街の活性化に活かす」と述べている。
89年にブラジルから浜松市に移住し、日系ブラジル人の相談業務などを行っている石川エツオ氏(52)は、「日本はすごく住みやすく、多くの外国人に来て欲しい」とする一方、「旅行で来ている外国人に比べ、仕事で来ている外国人はレベルが低いと見られがち。外国人も日本人と同じように家族や国のために働いている」と訴える。
石川氏によると、一部企業では法律上義務付けられている労災保険や雇用保険、健康保険に外国人を加入させていないケースがあるほか、日系ブラジル人は日本人の保証人がいないと、家やマンションを借りることがまだ難しいという。石川氏は「社会の高齢化に伴い、日本は外国人の力が必要になってくる」とし、「外国人は日本社会に溶け込む努力、日本人も受け入れる努力が必要」と話す。
国際協力開発機構(OECD)によると、日本の人口に占める外国籍を持つ人の割合は1.6%と、調査対象28カ国の中でポーランドとスロバキアに次いで3番目に低い。米国の割合は6.8%、ドイツは8.5%、スイスは22%に達する。

必要なのは行動

JPモルガン証券株式調査部長のイェスパー・コール氏は、留学生のアルバイト許可や、建設労働者に対する特例ビザの発給など、外国人労働者の受け入れ拡大に向けて「政府は着実に足場を作ってきた」と評価。「もはや移民に賛成、反対の問題ではない。移民の賛否を議論する余裕はもはやなく、必要なのは行動に移すことだ」と主張する


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