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外国人技能実習2年延長 介護・林業も追加検討ジパング協同組合

category : ニュース 2014.5.30 
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外国人に日本で働きながら様々な技術を学んでもらう技能実習制度について、政府は受け入れ期間をいまの最長3年から最長5年に延ばす方針を固めた。対象の職種に「介護」「林業」など5分野ほどを追加することも検討する。国内で人手不足が広がっており、技能実習を拡大することで実質的に外国人労働者を増やし、人材を確保するねらいだ。

 出入国管理法を所管する法務省の分科会が、制度見直しの報告書をとりまとめた。政府は6月にまとめる成長戦略に盛り込み、来年度からの実施を目指す。

 現在、外国人の技能実習生は約15万人。安倍政権は、社会的な負担が大きい単純労働者や移民の受け入れには慎重な姿勢を保ちつつ、期間限定の技能実習を拡充して当面の人手不足を補う考えだ。ただ、本来は日本の技術を学んでもらう「国際貢献」のはずの技能実習を人手不足対策に使うことには批判も強い。

 技能実習の対象は「機械加工」「養殖業」など68職種。人手不足が深刻な介護と林業のほか、アジアへの出店を増やしたい小売業界などが、将来の現地採用を見据えて要望している「店舗運営管理」「総菜製造」、途上国が求めている「自動車整備」を加えることを検討する。

 実習期間は、成績優秀者に限るなどの条件つきで、最長5年に延ばす。3年間でいったん帰国しても、再び来日して2年間程度の再実習を認める。受け入れの人数枠も増やす方針だ。

 劣悪な労働環境などが問題になる例も多いため、受け入れ団体の監視などを担う国際研修協力機構(JITCO)は、法律に基づく法人にするなど機能強化を検討する。悪質な事例に備え、罰則の検討も盛り込んでいる。

■国際貢献、理念とずれ

 政府が外国人技能実習の年限を延長して受け入れを広げるのは、景気回復による足元の人手不足に加え、人口減少で働き手がこれからどんどん減るためだ。しかし、国際貢献という本来の目的と実態の食い違いが大きい制度を広げることが、抜本的な解決策になるのかとの疑問も根強い。

 政府は4月、震災復興や東京五輪の開催で人手不足が深刻な建設業で、実習を終えた外国人がさらに最長3年働けるようにした。他の業界にも外国人の活用を求める声は多く、産業競争力会議の有識者や自民党が期間延長や受け入れ職種の拡大を政府に提案していた。

 法務省が拡大を検討する職種は、その代表例だ。介護は2025年に担い手が最大100万人不足するとの推計がある。林業も働き手の高齢化と後継者難に悩む。店舗の運営管理は、アジアに進出したいコンビニ業界などが幹部人材を育てたいと要望している。

 しかし、技能実習は現状でも、日本弁護士連合会が廃止を求めるなど反発が強い。日本の技術を途上国に移すのが本来の目的だが、低賃金での長時間労働や暴力を受けるなどのトラブルが多いのが実態だ。政府は監視の強化に取り組んできたが、12年時点でも約8割の職場で何らかの法令違反があった。

 外国人の活用について、政府は単純労働者の本格的な受け入れや移民については否定している。「国民的な理解がない」ことを理由に挙げるが、本来の趣旨と異なる制度の拡大には、限界がありそうだ。

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 〈技能実習制度〉 発展途上国の外国人を期間限定で労働者として受け入れる制度。学んだ技術を母国で役立ててもらう名目で、1993年に始まった。滞在期間は当初最長2年で、97年に3年に延長した。劣悪な労働条件が問題になり、2010年から最低賃金法など労働者保護ルールが適用されるようになった。


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