Home » ニュース » 介護施設に外国人の力 二戸で2人勤務

介護施設に外国人の力 二戸で2人勤務ジパング協同組合

category : ニュース 2016.12.28 
Pocket

◆受け入れ、業界が注目

 二戸市似鳥の老人介護施設「サントピア」で、フィリピン人の介護福祉士候補者2人が勤務を始めた。法改正により今後、外国人の介護就労が大きく変わることもあり、深刻な人材不足に悩む県内介護業者も注目している。同施設を運営する社会福祉法人は「県内では受け入れ例が少なく、問い合わせや視察が相次いでいる。モデルケースを示していきたい」としている。(安田英樹)

 12月から勤務を始めたのは、フィリピンでホームヘルパーをしていたバウティスタ・エルリンダさん(34)と、同国の看護大学を卒業したサムソン・エイプリルグレイスさん(23)の女性2人。今後4年間、勤務を続け、介護福祉士の国家資格取得を目指す予定だ。現在は日本人スタッフの指導を受けながら食事の手伝いなどに励んでいる。

 国は2008年から、経済連携協定に基づき、インドネシア、フィリピン、ベトナムから介護福祉士候補者の受け入れを始めた。受け入れについて、国は介護技術の移転が目的で、労働力不足の解消ではないと説明してきた。しかし、厚生労働省の推計によると、25年度、国内の介護職員は約38万人、県内では約5000人が不足するとされ、国の説明と介護現場の思いは必ずしも一致しない。

 サントピアを運営する社会福祉法人の大沢孫蔵理事長(76)は「地域の若者が減少し、職員の確保は今がぎりぎり。今後の施設運営を考えると、外国人の力は欠かせない」と語る。同法人は来年以降も外国人を受け入れる予定で、年間採用枠の柱に考えているという。

 こうした介護現場の声を受けて、介護職への外国人受け入れを拡大する2法案が11月に成立した。改正出入国管理・難民認定法では在留資格に介護を加え、技能実習適正実施・実習生保護法では、技能実習制度の対象職種に介護が加わった。新制度は来年にも動き出し、これまで3か国しか認められてこなかった外国人の介護就労の形は大きく変わりそうだ。

 深刻な人材不足に悩まされる県内の介護現場でも、外国人受け入れに興味を持つ事業所は多い。サントピアでは、外国人受け入れを決めて以降、視察や問い合わせが相次いでいる。大沢理事長によると、興味はあるが、言葉や文化の違い、利用者との関係などで不安を持つ施設が多いという。県内介護施設での外国人受け入れは、これで4施設、9人とまだまだ少なく、大沢理事長は「業界全体の問題として、視察や問い合わせには出来る限り応じていきたい」と語る。

 ただモデルケースになるには課題もある。県内では、まだ介護福祉士資格を取得した候補者はいない。バウティスタさんとサムソンさんは「資格を取って、長く日本で働けるよう頑張りたい」と口をそろえる。大沢理事長は「2人とも仕事にとても積極的なので、外部講師を招いた日本語研修や、専門学校での受講などで資格取得を支援していきたい」と語る。


コメントフォーム

Copyright(c) 2016 ジパング協同組合 All Rights Reserved.