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外国人実習制度 不正への対応は厳格にジパング協同組合

category : ニュース 2016.12.9 
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 新興国や途上国の労働者が日本で技術を学ぶ「外国人技能実習制度」の適正化法が今国会で成立した。

 この制度は、人材育成を通じて日本の技術を海外に伝えるという国際貢献が本来の目的だ。導入から20年以上たち、現在は中国やベトナムなどから21万人以上受け入れている。

 だが、受け入れ先による賃金の不払いや長時間労働などの違法行為が後を絶たない。能力の養成よりも、単純労働の現場で、低賃金で外国人を働かせるための制度になっているとの批判が強い。

 この法律は、そうした声を受けて作られた。法務省と厚生労働省が所管する認可法人「外国人技能実習機構」を創設し、労働法規に違反していないか実習先への監視を強める。人権侵害行為があれば罰則を科す。

 実習生が健全な環境で技術を習得できるよう、政府は新制度を厳格に運用すべきだ。

 監視を強めなくてはならないほど法令違反などの不正は広がっている。入国管理局が昨年不正を認定した企業などは、前年比約13%増の273機関に上った。年々増加傾向で、業種別では、繊維・衣服関係や農漁業関係が目立つ。

 実習生を受け入れる場合、商工会や事業協同組合などが監理団体として窓口になる。実習生はその傘下の企業や事業者と個別に雇用契約を結び、実習を実施する形が一般的だ。

 本来、監理団体が実習先の指導に当たるべきだが、機能してこなかったと言わざるを得ない。

 今回の立法で、優良な実習先の受け入れ期間は3年から最長5年に延びる。だが、実習生は最初の3年間は原則的に職場を移る権利がない点は今後も変わらない。賃金などに不満があっても別の職場を選べない。

 また、実習生の出身国で募集や選考に当たる送り出し機関が、実習生から法外な保証金を取るため、実習生は借金を抱えて来日するケースがあるという。その結果、実習生は劣悪な条件でも我慢せざるを得ない。こうした問題も残されたままだ。

 送り出し機関は各国政府が認定し、日本に8万人以上の実習生を送る中国には250以上ある。国会は付帯決議で、政府が送り出し国と取り決めを結ぶことで、この問題の解決を図るよう求めた。早急に交渉を進めるべきだろう。

 政府は、東京五輪・パラリンピックを前に、建設業などで外国人労働者の活用を拡大する方針だ。労働人口が減少し、産業構造も変化する中で、長期的に外国人の単純労働者をどう受け入れるのかという問題がある。実習制度でそうした人材を穴埋めすることは、そもそも筋違いだ。将来を見据えた議論を始めたい。


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