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インドネシア実習生と共にジパング協同組合

category : ニュース 2016.4.21 
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 神栖市のはさき漁業協同組合が、インドネシアからの漁業技能実習生の受け入れを始めて2年目を迎えた。昨年4月に来日した1期生16人は、全員が船乗りとして経験と成長を重ねている。4月には、新たに14人の2期生を受け入れた。低賃金や過重労働、失踪と、実習生をめぐる社会問題がクローズアップされる中、漁協関係者は「実習生と受け入れ側の模範となる関係を築きたい」と使命感に燃えている。 (酒井健)
 穏やかな春の海に臨む四月上旬の波崎漁港。第六十七石田丸の甲板では、昨年六月から乗船している実習生二人が、日本人乗組員と一緒に水揚げ作業に打ち込んでいた。
 ホースで水をかけてサバを洗ったり、トラックへの積み込みを手伝ったり。ウリル・アズミさん(20)は「(魚を冷やす)氷を積むのが、一番力がいる」。オギ・サプトラさん(22)は「もう慣れたし、どこでも楽しめる」。乗組員たちとの息はぴったりで、合間には日本人とも談笑する。
 「よく働くし、年寄りを助けてくれる。自分の子どもみたいなもの」。二人のために船上で料理も作る乗組員の泉邦栄さん(65)は目を細める。
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 実習生は二十歳前後で、いずれも男性。三年間、漁協の船で働きながら、巻き網漁や沖合底引き網漁を学んで母国に帰る。「タンカーの船長になりたい」「両親に家や田んぼを買いたい」。漁業にとどまらず、将来の夢はさまざまだ。
 はさき漁協が県内で唯一、実習生の受け入れを決めたのは、将来の乗組員不足を見据えてのこと。現在は不足していないが「少子化が進む将来の日本で、漁業に若い労働力が集まる可能性が見通せない」。今から実習生の受け入れを続け、教育や共生のノウハウを蓄積することが狙いだ。
 「実習生とウィン-ウィンの関係を築きたい」と石田洋一組合長。船主たちが合同で出資して無料の実習生向けの寮を建て、インターネット環境も整備。教育面では乗船前に二カ月間、市国際交流協会の講師らを招いて日本語を教える。また一期生たちは、祭りに参加したり、高校生と一緒に空手を体験したりと、地元住民との交流も楽しんできた。
 「労働力の確保と、人件費の削減を一緒に考えること自体が間違い」と、宮本聡総務次長は力を込める。一期生十六人は、一人の脱落も出さず二年目を迎えた。漁協が二期生を受け入れた本年度、実習する漁船も四隻増えた。
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 外国人技能実習生の実習期間を、現在の三年間から最長五年間に延長できるようにする法案が、国会で審議されている。
 厚生労働省は「受け入れ業界などからの要望がある一方で、制度を悪用する者もいる」と説明する。法案は現状を踏まえ、同省などが優良と認めた受け入れ先に限り、延長を認める趣旨という。
 「もし五年に延長されたら」との質問に、オギさんは答える。「最初の三年(の収入)で家族に家を買い、二カ月ぐらいインドネシアに帰る。次の二年で、結婚するお金をためたい」


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