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外国人労働者 人権軽視の受け入れ拡大に異議ジパング協同組合

category : ニュース 2016.4.11 
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 少子高齢化による労働力不足を補おうと、政府は外国人労働者の受け入れを拡大している。その数は、年内にも100万人に達する見通しとなった。
 だが、人権や労働環境は守られておらず、政府は受け入れ態勢の整備を巡る根本議論さえ先送りし続けている。人手不足の穴埋めに「安い労働力」として単に都合良く「活用」することは、決してあってはならない。
 自民党は、労働力確保に関する特命委員会を始動。高度な技能を持つ人材以外でも日本で働けるよう、在留資格の新設や要件緩和の検討に着手した。国家戦略特区の大阪府と神奈川県では、外国人による家事支援サービスが解禁され、準備が進む。
 安倍政権は慢性的な人材不足が深刻な介護分野での受け入れ拡大を狙う。日本の大学や専門学校で介護福祉士の国家資格を取得した留学生が日本で働けるよう、入管難民法改正案を国会に提出。技能実習制度の対象に介護を含めるための法案も審議されている。
 だが現在、経済連携協定(EPA)に基づき受け入れているインドネシア、フィリピン、ベトナム3カ国の介護職の雇用状況は非常に不安定だ。
 例えば特別養護老人ホームで働いた女性は、夜勤で20人を1人で担当するなど過酷な労働をこなしたが、給与は多くても手取り10万円弱。国家試験に合格してもさほど上がらず、日本人との給与体系の違いに直面。腰痛も悪化し、帰国した。「使い捨て」ともいうべき現状を改めることもなく、受け入れを拡大することは到底容認できない。
 技能実習制度はさらに外国人施策のひずみが凝縮している。技術を途上国の若者に習得してもらう国際貢献と目的をうたいながら、実際には安い賃金で製造業や農林水産業、建設業などの労働力を補(ほてん)している。
 賃金不払いや長時間労働、劣悪な住環境、暴行など深刻な問題が噴出、海外からは「強制労働」と指摘が上がる。労働組合には助けを求める声が続々届くが、実習生という弱い立場で声を出せない人はさらに多くいるとみられる。失踪者も後を絶たず、法務省の調べでは昨年は5803人と過去最多だった。
 本来の趣旨をねじ曲げ、人権擁護の体制も整えないまま、安易に制度を利用、拡大する政府には異議を唱えたい。弊害の多い制度は廃止すべきだ。
 それでも外国人の協力なしに日本経済が立ちゆかないというのであれば、社会保障や人権擁護の仕組みを整え、社会の一員として平等な立場で受け入れなければならない。家族の福祉や教育支援も必要になろう。
 外国人受け入れ拡大に関しては課題が多い。政府は世論の反発を恐れ、夏の参院選後への議論先延ばしを模索する。曖昧な政策はもはや通用しない。まずはビジョンを示して国民的議論を深めなければならない。現状から目を背けた、なし崩しの拡大は許されない。


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