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第4部・網代漁港(岩美町)/3 インドネシアの実習生17人 /鳥取ジパング協同組合

category : ニュース 2016.3.3 
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母国の家族と漁を支え

 2月下旬のある日の朝。岩美町の県漁協網代港支所で競りが始まったころ、近くの網代港漁業研修センターでは、水揚げを終えたばかりのインドネシア人実習生たちの笑い声が響いていた。

 「衣舞(イブ)」「琉州(ルス)」……。実習生の名前の当て字が壁のホワイトボードに並ぶ。網代港支所が14年に受け入れを始めた1期生11人と2期生6人の計17人が研修センターで同居している。インドネシアの水産高校を卒業し、現地の派遣会社で3カ月間、日本語を勉強してから来日した。

 1期生のイブさん(20)とルスさん(20)は沖合底引き網漁船「信勝丸(しんしょうまる)」に乗って2度目のカニ漁期の最中だ。「だけぇ、最初は漁の何も分からなくて難しかった」「船では眠る時間がなくてえらかったけど、だんだん慣れてきた」。たどたどしくも船の上で覚えた鳥取弁で話す。手にはソニーや米アップルのスマートフォン。働いてためたお金で日本で買った。休日に母国の家族や友人にフェイスブックで近況を報告したり、テレビ電話で話をしたりするのに欠かせない。

 信勝丸の船主、山岡寛人さん(67)にイブさんたちから電話がかかってくる。「買い物? ちょっと待っとけぇ、後で連絡したる」。山岡さんの声は楽しげだ。実習生の教育はそれぞれが乗る船に任されているが、陸にあがっても山岡さんや船頭の山下英明さん(59)がスーパーや温泉に連れて行くなど仲が良い。山岡さんは「ええかっこして言うわけではないが、日本に来て良かったと思ってもらいたいからね」と笑う。

 陽気な彼らも、母国の家族の生活を背負って日本に来ている。母国で漁をするよりも4、5倍は給料が高いという。月収から7万円ほどを家族に仕送りし、自分の生活には残りの2万円ほどを回すだけだ。ためたお金で家族にスマートフォンをプレゼントしたこともある。家族のことを話す時は自然と表情が明るくなる。「漁は大変だけど、それが私たちの仕事」とイブさんは語る。

 網代の漁業者側にとっても、実習生の存在は労働力の確保や人件費の負担軽減に重要性を増している。イブさんたちが乗る信勝丸では2月上旬、急に生じた日本人船員不足で漁に支障が出た。山岡さんは6月から実習生を1人増やすという。「今回のことで懲りたけぇね。彼らがおらんとだめですわ」

 実習生は「外国人技能実習制度」に基づき、日本で働ける期間は3年と定められている。県漁協網代港支所全体では6月から3期生8人を受け入れる予定で、今後も確保を続けるという。


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