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外国人技能実習 劣悪な実態放置できぬジパング協同組合

category : ニュース 2016.2.28 
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 違反が常態化していると言われても仕方がないだろう。

 厚生労働省が2014年に外国人技能実習生の受け入れ先を調査したところ、7割以上で違反が見つかった。道内でも違反が分かった事業所は調査した125カ所のうち91に上る。

 北海道労働局によると、道内の違反は大半が中小零細業者や農家など、労働関係法令の知識が少ない事業者という。

 実習生には労働基準法や労働安全衛生法が適用され、違反すれば行政指導の対象となる。

 政府はその周知を図り、法令順守を徹底させる必要がある。実習生を保護する仕組みづくりを急がなければならない。

 外国人技能実習制度は1993年、「国際貢献」を掲げて、新興国の外国人に日本国内で技術を学んでもらう目的で始まった。

 現在は農業、縫製、建設など72職種に全国で17万人、道内で5千人が最長3年間、働いている。

 しかし近年、受け入れ先から突然いなくなる実習生が増え、失踪者は年間で5千人に達する。

 厳しい業務に見合わない劣悪な労働環境が背景にあるとも指摘されている。

 パスポートを取り上げて保管していた事業所もあるという。技能実習の本来の目的からかけ離れ、実習生を安い労働力ととらえてきたのが実態ではないか。

 そこに、「違反」を生み出す土壌がある。

 制度は、国連や米国政府から、「人身売買」「強制労働」などと批判を受けている。これを受けて、法務省と厚労省は昨年、制度の見直しを内容とした法案を国会に提出した。

 監督組織を設置して受け入れ先に届け出を義務づけ、実習生の待遇で違反があれば罰金や行政処分を科すことなどが柱だ。実習生の保護強化は当然である。

 法案には、実習の職種や人数枠の拡大、実習期間の3年から5年への延長も盛り込まれた。

 ただ、不安定な身分の実習生を増やすことへの懸念も出ている。慎重な検討が求められよう。人権を侵害するような行為を根絶することが最優先だ。

 少子高齢化の影響で、日本では今後、労働力不足が深刻化することが懸念されている。

 そうならば、人手不足対策として安易に使われがちな実習制度はもちろん、外国人労働者の雇用問題自体とどう向き合うかを、根本から議論するべきではないか。


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