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「月30万円は稼げる」…難民申請で労働“許可” 移民めぐる本音の議論をジパング協同組合

category : ニュース 2015.8.22 
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 米国務省が毎年発表する世界の人身売買報告書で、日本は今年も技能実習制度が、強制労働の一因となっていると批判された。米国に日本を批判する資格があるのかと思わないわけではないが、同制度が一部で本来の目的から外れ、外国人労働者に低賃金・長時間労働を強いる仕組みになっているのは事実だ。

 そもそも技能実習生は諸外国からみれば、期間限定の単純労働者以外の何者でもないが、単純労働者の受け入れを認めない日本は、あくまでも技能を学ぶための実習生という建前を崩さない。

 なぜなら、移民につながる単純労働者の受け入れ問題は、日本では論議すること自体、容易ではないからだ。人権擁護やものわかりの良いようなことを言う人間に限って理想論は言うが現実には目をつぶる。

 日本がこうした建前と理想を掲げながら、実際には単純労働者を受け入れ、しかも低賃金で重労働を強いている実態は諸外国からみれば偽善でしかない。そうした日本の本音と建前の隙間をついて増えているのが難民申請を使った就労だ。

 かつては中国や韓国からの技能実習生が多かったが、今はネパールやミャンマーからの技能実習生が実習先から逃げ、難民申請をすることで、事実上の労働許可を得て、本来の仕事と違う別のよりもうかる仕事についているという。

 日本で長年、ミャンマー人学生の受け入れを行い、在日ミャンマー人社会の実情に詳しいNPO法人「ミャンマー交流援護会」の藤井啓一郎理事長によると、最近は技能実習生や留学生を狙って日本到着後まもなく、「月30万円は稼げる」と言って勧誘し、難民申請を出させ、自動車解体業などに紹介する組織があるという。

 「難民申請をすれば結果が出るまでは仮滞在が認められる。申請から6カ月たてば働くことができるので、日本企業は安心して雇えるからだ」と藤井氏はみている。背景には技能実習生の希望と受け入れ先企業とのミスマッチ、低賃金・長時間労働などへの不満などがある。

 ミャンマーの軍政時代に反政府デモを行った学生や少数民族出身者が難民として認められてきたが、2011年の民主化以降、こうした人々も徐々に帰国。現在は政治的迫害を理由に難民申請をしても認められることはまずない。

 にもかかわらず増加しているのは虚偽申請などに対する罰則がないためだ。

 さらに、法務省入国管理局によると、不法就労で捕まった後に難民申請をする者も多いという。日本で難民申請している人の国籍は、ネパール、ミャンマー、スリランカ、インドネシア、インドなどで、昔はともかく今は国際的にみて、亡命するほどの政治的迫害があるとはみられていない国々だ。全員がそうだとは言わないが、多くは経済的理由で日本での滞在を延ばしたい人々とみられる。

 難民支援を行う団体からは怒られそうだが、難民申請を行った人すべてが迫害されたかわいそうな人とは限らない。技能実習生をめぐる問題も、監視機関の強化などが検討されているが、単純労働者、移民の受け入れという議論を避けたままでは、抜け道的に使われるのは避けられない。

 また、移民受け入れの論議をするには居住環境を含めた真剣かつ具体的な議論が必要だ。もともと同じ宗教や習慣を持つ人々が集まって住むのをやめさせ、他民族と混住させるというのは理想論にすぎない。実際、今の日本でも特定の民族が集中した結果、日本人が出て行った団地もある。こうした議論を封じたまま、理想論を唱えるのはいいかげんにやめてもらいたい。


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