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中韓先行に焦り 日本語教えミャンマーで「人材育成」急ぐ日本ジパング協同組合

category : ニュース 2015.4.8 
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 ミャンマーでの人材育成に向けた取り組みが加速している。日本の民間団体や企業がミャンマー政府と組み、現地に技術研修学校などを設立。ミャンマーの若者に技術だけでなく日本語や日本文化などを教える。修了後は技能実習生として日本に派遣するほか、現地に進出した日本企業への就職を勧める。年末の東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)発足で、域内の人の移動が容易になり、ASEANからの人材確保が難しくなる。それだけに日本は、より魅力的な労働の場を提供する必要がある。

専門技能教育に注力

 ミャンマーからの技能実習生の受け入れは、自動車製造や水産加工を中心に期待が高い。かつて中国から大量に受け入れていたが、中国の経済成長に伴う本土の労働環境の改善や東日本大震災で減少したため、それに代わる労働力としての期待が高まる。さらに、震災復興に加え、2020年の東京五輪を前に人手不足に悩む建設業でも、ミャンマーからの人材受け入れに前向きだ。

 こうしたなか、新たにミャンマーの科学技術省と組み「ミャンマー専門技術教育センター」の開設を目指すのが、特定非営利活動法人「アジア環境技術推進機構」(内藤敏樹理事長)だ。アジア環境技術推進機構が17日、日本商工会議所などと共催で開いた「ミャンマー産業人材育成シンポジウム」には、ミャンマーのコー・コー・ウー科学技術相をはじめ、日本ミャンマー友好議員連盟の逢沢一郎会長らが出席、ミャンマー専門技術教育センターの早期設立に向けて取り組む姿勢をアピールした。

 計画によると、ミャンマー専門技術教育センターは国立の職業専門校として、最大都市ヤンゴンの現在は使われていないアウン・サン将軍記念学校の跡地に開設する。自動車整備技術の教育から始め、土木や電気工事、電力などの技術へと範囲を広げる。技術教育と同時に日本語研修なども行う。来年夏の開校を目指すという。

 シンポジウムで講演したコー・コー・ウー科技相も、産業人材育成の重要性を強調し、現在の技術短期大学や職業訓練校を改組し、欧米などにあるポリテクニク(高等専門学校)へと発展させる計画を表明。工業系の人材育成に向けた教育機関の設置に政府開発援助(ODA)など日本政府の支援を求めた。

 ミャンマーの工学系人材育成では、ヤンゴン、マンダレー両工科大学への教育支援がすでに始まっている。京都大学と、長崎大学を中心に熊本、岡山、金沢、新潟、千葉の国立6大学ネットワークが連携して両工科大学に教授らを派遣し、ミャンマーの工学教育に携わる教員育成を支援している。

先行する中国、韓国

 一方、工業省と組んで技術研修学校の開設を進めているのがミャンマー・サンコー(津田俊二社長)だ。津田氏によると、工業省が所有する6つの技術学校のうち1校を借り、技術研修を行う。学校は全寮制とし、日本語や日本の生活慣習なども教育する。終了後は日本に技能実習生として送り、実習期間を終え、帰国した段階ですべての過程を修了したとして、短大卒にあたる修了証を出す計画だ。

 ミャンマーでは短大卒を含め大学卒業者は給与待遇に大きな違いがあるため、技能実習の途中で受け入れ先企業からいなくなるといったリスクを少なくできるとしている。

 ただ、ミャンマーからの労働者の受け入れは、中国や韓国などが先行している。さらにAECの発足で、人の移動がより活発化するなか、日本や日本企業がミャンマーはじめアジアの人々にとって魅力的な働き場所となることが重要だ。

 津田氏によると、技能実習生の時給は平均1100円を超える。必ずしも低賃金とはいえないにもかかわらず、人が集まらなくなっているという。

 ミャンマー人に聞くと、タイやシンガポールには何十万人も出稼ぎに行っており、コミュニティーがある。日本は給料が良くても生活費が高い。あえて日本に行く理由がない、と話す。

 日本政府は技能実習生の滞在期間延長などを行っているが、それ以上に、どうしても日本に行きたいと思わせる動機付けをいかに行うかが課題だ。


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