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地域の日本語教室ジパング協同組合

category : ニュース 2015.4.6 
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地域の日本語教室
2015年04月06日 05時40分
 唐津市に住む朴さん(37)が唐津日本語教室に通い始めたのは昨年夏。長女が小学校に入学して間もないころだった。幼稚園と違って小学校になると、子どもがいろんな連絡プリントを持ち帰る。その都度、夫に読んでもらうが、「自分で読めたら学校のことがもっと分かるし、先生に返事も書ける」。そう思い、勉強を始めた。

 佐賀県内には約4300人の外国人が在住する。技能実習生や留学生に加え、日本人と結婚した人も増え、約240人、6%にあたる。朴さんもその一人で、唐津出身の夫と結婚し、一昨年、東京から帰ってきた。

 佐賀県国際交流協会が県内の在住外国人に日常生活で困っていることを聞いたところ、4割が「言葉が通じないこと」と答えた。また、「話す」ことより「読む」「書く」が難しく、2割強が「ほとんど書けない」と回答した。唐津日本語教室の世話役の内山智子さん(60)は「子どもの文房具や教科書に自分で名前を書きたいというお母さんもいる」と話す。

 子どもたちは学校で習うことができる。でも大人には学ぶ場がない。そうした外国人を対象に、日本語教室が県内13カ所で開設されている。運営はボランティアで、教えるといっても、特に語学の素養が必要なわけではない。

 先の内山さんは佐賀大学の中国人留学生をホームステイで受け入れた時、「彼女が日本語を話せたら、佐賀での暮らしがもっと楽しく、豊かになるはず」と思った。そしてもう一つ。言葉が通じないまま互いに不信感と疎外感を募らせ、「日本は嫌な国」と突然帰国する外国人を見聞きしたからだ。

 ボランティアが地域の人なら、教室の中の活動や人間関係を地域に広げることもできる。それも大きなメリットだ。

 課題もある。日本語が読めない人たちにどうやって教室の存在を知ってもらうか。各教室で母国語で説明したチラシを作成しているが、なかなか当事者に届かない。行政の支援にも濃淡がある。実習生が日本人と接触することを警戒する企業や事業所もあるという。

 外国人労働者を受け入れる企業や国際結婚の増加で、地方でも外国人は増えていく。人口減少が加速する中、企業の働き手や介護の担い手として「移民」の受け入れが現実味を帯びる。

 排外主義は論外として、生活習慣や文化が異なる外国人と理解し合えるか、不安や懸念があるかもしれないが、時代の流れは多文化共生社会へと向かっていく。

 国際化とは、ただ外国や世界のことを知ることではない。国籍や文化的背景が違っていても、同じ地域で同じように暮らしていく。そんな社会の土台をつくっている日本語教室と支える人たちの存在に目を向けたい。


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