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多文化共生実現目指す/せんだい ひと模様/ネクストステージ東北代表理事ジパング協同組合

category : ニュース 2015.3.8 
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 外国人技能実習生と企業とのマッチングを担う協同組合ネクストステージ東北(仙台市)は5月、国内で初めてブータン人を受け入れる。雇用するのは東日本大震災復興事業に携わる宮城県内の企業。代表理事の押谷祐子さん(57)=青葉区=は多文化共生社会の実現を目指す活動にも取り組んでおり、「交流人口が増えると地域が活性化する」と期待する。

<高い教育水準>
 組合がブータンからの技能実習生受け入れを決めたのは、仙台市在住のブータン人が経営する人材派遣会社の依頼がきっかけだ。やって来る実習生は主に20代の男性約10人。県内の建設会社などが3年程度雇用する。
 「ヒマラヤの王国ブータンは人口七十数万人の小国。就職難のため、国策で海外での就労を推進しています。海外就労者の多くは『高い給料を得る』という目先の利益ではなく、『技術を身に付けて帰国し、起業したい』と考えています」。ブータンの就労事情をこう説明する。
 ブータンでは小学校から英語で授業が行われているので、海外就労先は豪州や米国など英語圏がほとんどだ。新たな就労先の開拓を目指し、ブータン政府はアジアの経済大国である日本に目を向けているという。
 今回、ブータン政府を通じて求人すると70人の応募があった。組合幹部が1月に渡航して面接し、補欠を含めて18人に絞った。「4、5カ国語を話せる人ばかりで、教育水準の高さを感じました」と、宮城での活躍に期待を寄せる。

<登山申請で縁>
 雇用する側の企業は既に決まっている。実習生は「安い労働力」とみられがちだが、実際には語学研修費や生活相談対応業務などの経費が必要となる。「受け入れ企業には『多文化共生』という理念を理解してもらっています。ありがたいことです」と感謝する。
 実は、ブータンとは個人的に30年以上前にも縁があった。当時は鎖国していて「秘境」とされたブータンに、押谷さんが所属する女性登山隊が7年にわたり登山許可を申請し続けた。そして1983年、海外登山隊として初めて許可を受けたのだ。
 「地図もなく、目指した山への登頂は断念しましたが、トレッキング中に触れ合ったブータン人の洗練された民度の高さ、精神世界の豊かさに感銘を受けました」と振り返る。
 雇用した企業の反応がよければ、組合はブータンでの求人活動を活発化させる方針だ。現在、日本に住むブータン人は26人で、東北では仙台の1人だけだという。心の幸福を追求する指標「国民総幸福量」を提唱するブータンの価値観に触れる機会が、増えるかもしれない。


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