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政府、外国人技能実習見直し-監督体制の抜本的強化をジパング協同組合

category : ニュース 2014.12.24 
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政府は外国人技能実習制度の見直し案を2015年1月にもまとめる。同制度は発展途上国への技術移転が狙いだが、地方を中心に安価な労働力活用の受け皿に使われることも多い。見直しでは監理団体や受け入れ企業の監督体制を強化する新たな組織を設置する。ただ受け入れ枠も拡充するため、チェック機能が十分に発揮しなくなる可能性もある。成長戦略における外国人材の活用として安倍晋三政権肝いりの制度改正だが、チェック機能が働かず国内の人手不足解消だけに終われば、制度の”廃止論”に発展する可能性もある。

外国人技能実習制度をめぐっては、法務省が受け入れ企業による賃金未払いや長時間労働などが頻発し、逃亡する実習生も多いと指摘。また中国、ベトナム、ミャンマーなどでの一部の送り出し機関が、違法な保証金や高額な手数料を徴収するなど、不適正な勧誘を頻繁に行っているという。人権侵害を受けた実習生の救済にあたる日本弁護士連合会は同省などに「制度は廃止すべきだ」とする意見書を再三にわたり提出している。

このため今回の制度見直し案では安倍政権が進める「制度の拡充」だけでなく、「実習生の管理運用体制の強化」も一つの目玉となる。

制度の拡充では、政府が現行の68職種に国内で労働者不足が予想される「介護」など5職種程度を追加し、緩和措置で定員増も認める方針。さらに実習期間を2年間延長し最大5年間にする。

一方、管理運用体制の強化では、政府が外国人の研修・技能実習制度の実務を国から請け負う国際研修協力機構(JITCO)に代わり、新たな管理監督機関を2016年春にも設置する方針。ただ肝心の立ち入り検査は監理団体(対象2000団体)で1年ごと、団体の傘下となる企業(同3万事業場)で3年ごとで、監督機能が十分に働くか課題になる。

また送り出し機関の規制は、相手国との2国間協定で強化するため、相手国側の意向が強く反映される可能性があり、日本側が不正を見抜くのは容易ではない。
見直し案は15年1月にも開く有識者懇談会でまとまり、政府が15年の通常国会に関連法案を提出する方針。
人口減少に伴い一部の産業では労働者不足が深刻になっている。しかし抜本的な制度改正が行われなければ、制度廃止への声が一層強まる可能性がある。


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