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信州から問う:2014衆院選 外国人技能実習生 「まともな扱いをして」 県最低賃金、大きく下回る /長野ジパング協同組合

category : ニュース 2014.12.2 
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 「まともに働いているのだから、まともな扱いをしてほしい」。北信地方のプラスチック加工場で、外国人技能実習生として働いていた中国人男性(29)は、無念そうにつぶやいた。ある月の実働時間は約341時間。うち約181時間は残業代などと見なされたが、時給は550円。県の最低賃金728円(10月1日現在)を大きく下回る。

 実習生計6人で共同生活する3DKの古びた平屋は、隙間(すきま)風が入り、冷暖房はない。就寝中、ネズミが布団に入って来たこともある。仲間の男性(25)は「懸命に働いても悪い場所に住まされ、給料も安い」と目を伏せる。2011年9月に来日したが、2人とも失意のうちに今夏、帰国した。

 県内の実習生問題に詳しい藤原寛史弁護士(須坂市)は「実習生が逃げられない仕組みになっている」と指摘する。実習生は来日の際、母国の関係機関に担保や保証金を入れており、外部に相談するとそれを没収されたり、強制帰国させられたりするためだ。職場を移ることもできない。

 実習制度は発展途上国の技術支援が目的。厚生労働省が13年に全国の事業所2318カ所を調査したところ、約80%で法令違反があった。過労死が疑われる突然死や自殺も相次いでいる。法務省によると、実習生は14年6月現在、全国で16万2154人、県内では4185人。同省は罰則の整備や、外部監査の導入を検討中だ。

 こうした中、政府は4月、20年の東京五輪に向け建設現場の人手不足を解消するため、実習生の滞在期間を最長3年から5年に延長できるようにした。

 10年以上、実習生の相談を受けてきた「労働組合LCCながの」の高橋徹さん(57)の元には、農家などの雇い主から暴行を受けたとして中国人女性らが、しばしば相談に訪れる。「五輪需要で東京に建設作業員が集まり、人手不足になった地方の現場で実習生が増える可能性がある。結局、国は都合のいいように外国人を使っているだけだ」と批判する。

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 日本弁護士連合会(村越進会長)が1日公表した日本一のレタス産地・川上村の外国人技能実習生に関する調査報告書には、過酷な労働実態が記されている。


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