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介護の技能実習、入国前に日本語要件- 厚労省は「N3」レベル提案ジパング協同組合

category : ニュース 2014.11.28 
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 厚生労働省は27日、技能実習制度を通じて外国人介護人材を受け入れる場合、日本に入国する前の段階で一定の日本語能力を求める方針を示した。具体的なレベルとしては、日本語能力試験認定の5段階の真ん中に当たる「N3」以上を、同日に開いた有識者検討会に提案。同検討会では入国段階で少なくともN3以上の日本語要件を課すことで一致したが、一部の委員からはさらに1段階高いレベルのN2以上を求める声もあった。

 同日の検討会では、技能実習の対象職種に介護を追加する場合、外国人実習生に必要なコミュニケーション能力をいかに確保するかを議論した。厚労省は、対人サービスである介護では一定の日本語要件を課す必要性を提示。実習生の技能取得をスムーズに進めるため、入国前の段階での要件にすべきとした。

 具体的な日本語のレベルについて同省は、EPA(経済連携協定)の枠組みで、外国人の介護福祉士候補者を受け入れている施設の約9割が、N3レベル以上を求めているというアンケート結果を基に、技能実習ではN3以上を求める案を示した。また、利用者の話をじっくり聞く「傾聴」など日本語能力以外のコミュニケーションスキルについては、実習開始後に施設での実践を通じたトレーニングなどで対応できるとした。

 田中愽一委員(日本介護福祉士養成施設協会副会長)は、技能実習はあくまで日本の優れた介護技術を実習生の母国に移転する趣旨だとした上で、「最低条件はN3ではないか」と述べて同省案に理解を示した。石橋真二委員(日本介護福祉士会長)も、実習開始時にN3レベルは必要だとしたほか、「その後に日本語研修を積み重ねていく仕組みも検討すべき」と述べた。

 一方で、平川則男委員(連合総合政策局生活福祉局長)は、前回の検討会で行ったヒアリングで、EPAで介護福祉士候補者を受け入れている施設から、「申し送りや利用者への説明など介護業務すべてを任せるにはN2以上じゃないと難しい」という声があったとし、「客観的にはN2以上が求められる」と主張した。白井孝子委員(学校法人滋慶学園東京福祉専門学校ケアワーク学部教務主任)は、「例えばケースカンファレンスへの参加はN3では難しいので、どこまでの技能を移転するかを考える必要がある」とした。

■社会保障制度の理解なども移転対象

 この日の検討会では、移転対象とする業務内容を明確にするための議論も行った。厚労省は、入浴や食事、排せつなどの「身体介護」と、掃除や洗濯、調理などの「身体介護以外の支援」のほか、申し送りや記録など間接的な業務を対象とする案を示した。さらに、これらの業務を支えるものとして、日本語などコミュニケーション能力や、自立支援や地域連携などの考え方のほか、社会保障制度など仕組みの理解についても移転を行うべきとした。


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