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外国人技能実習 厚労省、介護分野追加の議論開始ジパング協同組合

category : ニュース 2014.11.10 
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厚生労働省は10月30日、外国人介護人材の受け入れの在り方に関する検討会(座長=根本嘉昭・神奈川県立保健福祉大名誉教授)を立ち上げた。外国人技能実習制度の職種に介護分野を追加するかどうか、年内に結論を出す。しかし、技能移転の要請が外国からある訳ではなく、日本の業界団体も意見が一致しているとは言えない。介護を追加するにしても実際の受け入れは相当先になりそうだ。

 

業界団体、意見不一致

 

検討事項は①技能実習制度に介護を追加するかどうか②介護福祉士を取得した留学生に在留資格を付与した場合の運用③経済連携協定(EPA)のさらなる活用——の3点。

 

安倍晋三首相の指示を踏まえ、今年6月閣議決定の日本再興戦略は「介護分野での外国人労働者の受け入れ」を明記した。介護の人材不足を補うためだ。厚労省はそれを受けて検討会を立ち上げた。

 

ただし、留意点として「介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること」などを挙げ、外国からの介護人材の受け入れを慎重に検討する姿勢は崩していない。

 

技能実習制度に新分野を追加するためのハードルは低くはなく、①単純作業ではない(同一作業の反復のみで修得できるものではない)②送り出し国で修得が困難な技能で、実習生が帰国後にそれを生かせる③実習成果を評価できる公的な仕組みがある——を満たさなければならない。

 

厚労省は「複数の国から要請があり、日本の業界団体が合意することが大前提となる。介護の場合、実習の成果を評価する統一した仕組みがない。この検討会は、まず業界団体の意向を聞く場だ」(職業能力開発局)とする。

 

全国老人福祉施設協議会は技能実習制度に介護を追加することに前向きだが、賛同の輪は広がっていない。

 

技能実習制度そのものの見直しが同時に進むため、議論しにくいのも事実だ。法務省、厚労省は制度運用の監督体制を強化した法人を新設する方向で検討し、2015年の通常国会に関連法案を提出する予定だ。

 

在留資格の付与について、介護福祉士養成施設の側は「大歓迎だ」とする。検討会は資格を取得した留学生が国内で働き続けるための環境整備など具体的な制度を設計する。

 

08年度に始まったEPAは人材不足対策ではなく国際交流が目的。インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国から介護福祉士候補者を計1538人受け入れたが、その数は当初の想定ほど伸びてはいない。

 

検討会の庶務は社会・援護局が行う。委員は座長を含めて10人で、介護関係団体で構成する。オブザーバーとしては外務省、法務省の関係部局の担当者が参加する。

 

ことば:技能実習制度

開発途上国の経済発展の担い手を育てるため、日本で働きながら技能を修得してもらう制度。93年に導入され、現在約15万人の外国人(中国、ベトナムなど)が実習中。滞在期間は最長3年間。建設、機械・金属、農業など68の職種がある。受け入れ企業で労働法令違反が散見されることが問題視されている。


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