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経済観測:実習生か、労働者か?ジパング協同組合

category : ニュース 2014.7.23 
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 農村を回ると、まじめに農作業をする外国人によく出会う。皆「外国人技能実習制度」の実習生だ。職種を固定しない1年以内の「技能実習1号」と、固定した上での「技能実習2号」からなり、最長で3年。両方をあわせて農業分野では約1万5000人(2010年度)が実習を受けている。

 農家は一様に「日本人が失ったハングリー精神を持っている」「盆、正月関係なく仕事をしてくれありがたい」と頼りにしている。帰国後は、覚えた技術をいかして1次製品を作り、それを受け入れ先だった日本の農家が輸入して完成品に仕上げ、市場に出荷するなど共存共栄に至るケースもあれば、自ら完成品を輸出し、正面から日本の農家に競争を挑んでくる人もおり、もろ刃の剣でもある。

 この制度が見直されることになった。6月に閣議決定された成長戦略「日本再興戦略」改定版は、技能実習2号の期間延長(2年)、実習生の受け入れ枠と対象職種の拡大などの検討を盛り込んだ。

 あくまでも現制度の運用改善で「移民政策と誤解されないように配慮を」と政府はクギを刺す。だが実習生が日本の労働力不足を補っているのは事実。実習生という曖昧さを残すのか、労働者として受け入れるのかという議論もする必要がある。

 韓国ではすでに労働者として受け入れている。日本同様の実習制度を経て07年に労働許可制に移行。12年から最大9年8カ月働ける。京畿道という地域では、畜産農家で働く従業員の7割が外国人だという。

 農村が日本以上に過疎化し、海外の労働力に頼らざるを得ない韓国と日本を同じ土俵では検討できない。だが、建前と本音が入り交じるこのテーマを政府が重要課題として、国民的議論にしていけるという点では意味がある。


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